「竜とそばかすの姫」を見た
短め感想
良くも悪くも「細田守監督の謎サイバー空間少年少女成長譚」の新作という感じ。
良さはやはり見た目。あと音楽。 とにかくサイバー空間の映像が曲も含めて良い。 出てくるアバターのデザインもサマーウォーズのときからまた一味変えてきていて、焼き直しはしないぞという気合を感じる。 後なんか……ややフェティッシュな可愛さを持つアバターが多かったのも良かった。 サイバー空間での出来事を CG アニメで描写する構成も、シンプルでわかりやすく、更に丁寧さ・上手さを押し付けて来ていてパワフルで良かった。
悪さは、監督特有の相変わらずややキツめな社会観・母親観。 ちなみに私はこの社会観・母親観を「オッ!今回もやってんなあ〜〜〜!!😊」という感じで味わいたくて毎回細田映画を観に行ってるので、そういう意味では“良かった”。 実世界でも起きているような問題にいくらかのフィクション要素をもたせて優しい解決を与える良い映画だが、社会観がややおかしいので全体としてノイジーで観ていてのめり込めない。
全体として、映像的な部分でかなり頑張ってそうだし音楽も良く、話の大筋は近年お馴染みのヤバ社会細田映画 って感じだった。
長め感想
あらすじはこれ:
自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高校生・内藤鈴(すず)は、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。 母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。
曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに。<U>では、「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。
数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。
やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探しアンベイル。
<U>の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAsたちは竜を執拗に追いかけ始める。<U>と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが――。
現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。 二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。
ホンマにめちゃめちゃ映像と音楽が良くて、主人公の鈴が仮想世界と関わって成長していく部分は歌の挟まりによるミュージカル効果も相まってかなり物語に没入できた。 アバターに反して少年的な振る舞いを竜が見せるシーンなんかも、竜の表情や相手の仕草への反応としてかなり丁寧に描かれている感じがして、大変良かった。 主人公の鈴が自身のトラウマを克服して素の姿でも歌えるようになるシーンは正直かなりグッと来た。 しかし、「ところで、何故監督はそんなにも社会を信じておらず、一方で個人の母性を神格化してしまうのですか?」という細田映画いつものやつを、鈴がトラウマを克服した後の 20 分くらいの展開でねじ込まれてしまって、落差で頭がおかしくなった。
映像が良いし音楽も良い
サイバー空間の映像と音楽が抜群に良く、「現実生活ではパッとしない女の子が別の舞台で世界に羽ばたくサクセスストーリー」の舞台として滅茶苦茶に良かった。 「サイバー空間の描写は CG を用いる」という形で手描きアニメである現実空間との差を見た目にわかりやすくしつつ、細やかな演技でサイバー空間と現実空間との間に「中の人」という繋がりを意識しやすかったのも良い。 また個人的には細田映画でいつもやってる「主線が赤っぽく描かれる空間」みたいな描写を使わずに別のやり口に挑戦してるのが本当にえらいなあと思って敬意を抱く。
CG 映像と曲が滅茶苦茶に良いんで、「ベルが歌う / 歌おうとすると事態が動く」というミュージカル的展開に気持ちが乗りやすかった。 活躍の場がインターネットに関係しているのもあって才能の発見・急激な拡散みたいな面にも違和感を覚えずに済んだ。 あと結局ベルが「無責任な大衆である観客」に発見されていくという展開で、映画を見ている自分自身が(映画を見ているただの人間であるという点とか、ベルの歌を聞いているただの観客であるという点から)「無責任な大衆である観客」側に同調しやすいというのも良かったかも。
ほんで CG 映像の何が良かったかというと、CG 利用で延々とキャラを動かす描写って今までの細田作品でやっていなかった(この映画で初めてやった)と思うんだが、 手描きパートと違和感を生じさせないような控えめで細かい演技を CG にさせてるのが個人的に凄い良かった。 (ネタバレになるが)竜がたまに見せる被虐待児童的な仕草とか、ベルが竜への態度を個人から保護者に変える動きとか、細かい機微が伝わる良い演技だった。 CG で描写されている仮想空間と同じ世界に手描きで描写されてる現実空間があるんだと感じさせてくれた。
こういうサイバー空間って今までの細田映画だと「主線が赤っぽく描かれる空間」が使われると思うんだけど、それをやらないチャレンジ精神もすごいなあという感じ。 いつものあの赤主線空間じゃないのも相まってか、サイバー空間のキャラクターデザインもサマーウォーズとは結構テイストが違ってよかった。 なんか竜のオトモ AI みたいなやつらのデザインはかなり……なんらかの趣味の人に……ぶっ刺さりそうな感じだった。
☆【宣伝】☆
— カニ人 (@kanijin358) 2021年7月17日
細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』上映中カニ。デザインした子いっぱいでてくるから観に行くといいカニ。その子らの集合絵も描いたカニ。おもろいカニよ!!劇場でセンターのヒロちゃんAs、人魚ちゃんキーホルダーゲットするといいカニ!人類は滅亡する。 #竜とそばかすの姫 pic.twitter.com/JXF0u3UE9o
こっちはなんか良すぎるデザインのアバターたちの参考画像。 良すぎませんか?
大テーマが不協和音を生じさせる
ところで、先述 「現実生活ではパッとしない女の子が別の舞台で世界に羽ばたくサクセスストーリー」の舞台として滅茶苦茶に良かった
と言ったが、この映画の主題は「現実世界ではパッとしない女の子が別の舞台で世界に羽ばたくサクセスストーリー」 ではない。
鈴が「母親は自分との将来と見ず知らずの子の命を天秤にかけて後者を取った」というトラウマと向き合い、自身も他人を庇護するために危険を顧みず行動できる母性を獲得し、母親の死を理解するための物語である。
この主題に対して、仮想空間を用いた舞台設定がうまく溶け合っていないように感じ、かなりキツさを覚えた。
滅茶苦茶ネタバレを含むが、この映画の「仮想世界でのクライマックス」は、被虐待児童であると発覚した竜の住所を知るべく、鈴が竜の信用を得るためにベルのアバターを捨てて実際の外見をアバターとして用い歌うシーンである。 このシーンは、鈴がトラウマを克服して自分自身の姿を晒しても歌えるようになったという「成長を示すシーン」であり、被虐待児童である竜のために自分が社会的リスクを負う行動を取ったという「鈴の母親への理解を示すシーン」でもある。 で、この仮想世界で鈴が歌うシーン自体は 正直めちゃくちゃ良かった んだけども、この後なんか鈴が現実世界で竜を助けに行く「現実世界でのクライマックス」が始まり、 これがキツい 。
あんま自身が感じたキツさをつらつらと論理的に書くのも感じ悪いんでざっと喋るが:
- 「鈴が一人旅によってちょっとした自立を演出するのにちょうどよい場所」である東京に竜の中の人が住んでいるという構成は、鈴が世界中の人間に歌で認められるという仮想世界でのクライマックスに比べてスケールダウンを感じる。
- 歌以外は普通の女子高生(であり、かつそれが仮想世界で人々の共感・応援を呼んだはず)な鈴がひとりで虐待暴行現場に向かう時に周囲の登場人物が止めようとしなくて怖い。彼らが鈴を支えていたという現実世界側の設定に共感できなくなった。
- 結局現実世界での解決も「鈴が来てくれたので恵くん(竜の中身の児童)が虐待に立ち向かう勇気をもらいました」なのですごい。全世界の人々を感動させる鈴の歌の才能が現実世界の問題解決に役立っておらず、直接的に恵くんを救ったのは細田監督特有の「全てを投げ出す母親像」であるというのは構成・価値観的にいびつに感じる。
で、これは本当に後付の理屈(というかただの感想)なんで、実際にそれで良くなるわけはない(というか恐らく悪くなる)が、どうしても
- 最後の顔出しライブだけで勢いで話が終わる
- 鈴の周りの大人がもっと関わって(その過程で鈴自身も周りの人からの保護に気づいたりしつつ)なんとか解決する
- 「ベルとしての活動の収益はいろいろな団体に寄付している」という説明で出てきた児童保護団体に協力を仰いで何とか解決ゾロリする
などしてほしかったなと感じてしまう。 とにかく顔出しライブシーンは良くて結構感動していただけに 全部吹き飛ばしてま〜〜た自己犠牲最強無敵マッマ物語が始まったのがキツかった 。
優しい話にしたいのだと感じるが、優しさが狂っている
まあなんか……歌とかいうスーパー才能がなくても人は周囲の人と繋がって、また別の誰かとも繋がって、その繋がりで人を助けられるんだよ……みたいな……そういう話をしたいんだろうなという感じはする。 が、どうにも「人が人と繋がる描写」や「人が人を助ける・救う描写」に違和感を覚えてしまう。 女子高生が周囲の誰にも静止されず、唯一の身内にも相談せずに夜行バスで東京の虐待暴行現場に向かうのは、自然な人間の振る舞いではないのではないか。 むしろ破滅的な献身願望を持つ異常な人間のふるまいとして、やや尖ったヒーロー映画なんかで描かれる類のものではないかと感じる。
私個人としてはベルを囲む無責任なインターネット観衆の方に投影先を見出していたので、最後の現実世界側のクライマックスでインターネット観衆が置いていかれたのは寂しく感じた。 で、あの世界の特に現実世界での出来事に関する話は自分に向けたものではないと感じ、急に冷めてしまったんだろう。
最後に
価値観的なキツさがあるとはいえ、10 年に一回くらい作られる「細田守監督の謎サイバー空間少年少女成長譚」だし、そういう観点で色々観るのに十分楽しい映画だった。 個人的にはサマーウォーズよりは結構好きで、デジモンよりは好きじゃないという感じ。 観て後悔するようなことはなかったんで、細田守映画よく観るよ〜って人は劇場で観ると良いかもと思った。
ポケモンユナイトをわかろう!
はじめに
ポケモンユナイト出た! やった!皆ともやった!楽しいですね!
ところで 、このゲームは大変難しい。 チーム戦略ゲームの兄貴である League of Legends クンは 判断に対する勝ち負けのフィードバックを 30 - 50 分後に与えてくる鬼のゲーム なんで、「10 分後にフィードバックあればめちゃくちゃ早くて最高やろ!」みたいな甘えが僕にあったが、 実際初めてこういうジャンルのゲームをやる人に取っては「毎秒毎秒何らかの判断を要求されるが、自分の判断の良し悪しを試合中には判断できず、漫然と時間を過ごし 10 分後に勝ち負けのフィードバックを得る曖昧な遊び」みたいになりがちらしいです。
先月の記事で経験値の重要性やらなんやらを絡めて「奥深くて楽しい」みたいな推し方をしたが、 奥深さについてゲーム展開の捉え方・実際の展開における択の多さみたいな方向で紹介したほうが実際遊ぶ時に役立ったかもなあと反省した。 なので今回そういう話をしようと思います。よろしくお願いします。
ポケモン各論
結局「じゃあこのポケモン使ってよぉ〜試合中の各場面でよぉ〜〜結ッ局何すンだよ!?」ってのがわかんないとゲームのことよくわかんないんで、そういう話をする。 で、とりあえずソロランクの相棒であったエースバーンを取り上げる。
エースバーン
概要
バカ強いうさぎ。 剣盾でも強いしユナイトでも強い。 僕がランク行くときは大体フェイント・ブレイズキック覚えさせるんで、その構成について話す。
特性のもうかのテキストは以下:
わざを使うと、次の通常攻撃が強化攻撃になる。 通常攻撃かわざを相手のポケモンに命中させると、相手のポケモンに火がつきはじめる。 そのまま何回も命中させると、相手のポケモンに追加ダメージを与えることができる。 HP が半分以下のとき、少しのあいだ急所率が上がり、通常攻撃が速くなる。
要するに「以下の 2 つのタイミングで強い攻撃ができますよ:
- わざを使った直後
- 敵の側に浮いている炎マークが満タンになっている時
ついでに HP 半分以下の時にちょっと強くなるんで頑張れ〜」ということ。
この特性から分かる通り、通常攻撃を延々としてダメージを出し続けるポケモンである。 こういうポケモンの常として密着されると弱いんで、敵に攻撃されない位置を取り続ける基礎が強く要求される。 ダメージを出す以外の仕事ができないので、順調に育てず大したダメージを出せないとお荷物になる。
強いタイミングはエースバーンに進化してブレイズキックを覚えるレベル 7・フェイントを覚えるレベル 8・ユナイトわざを覚えるレベル 9・ブレイズキックを強化できるレベル 11・フェイントを強化できるレベル 13 という感じ。 レベル 5 で一応進化はするものの、新しいわざは覚えない。 一応ダメージはそこそこ上がるが、結局ヒバニー時点での立ち回りをもう少し強気に行える程度のメリットしかない。 レベル 7 以降は基礎ステータス(特に攻撃速度)の伸びもさることながら、わざの強化によって戦闘の立ち回りの幅が広がり続けるという感じで、弱いタイミングがない。
試合全体の立ち回り
最悪こいつひとり育てば勝てるという気持ちで選ぶんで、僕は上ルートに行くことが多い。 こいつは育つと笑えるくらいダメージを出すが、野生モンスターに対して序盤から一瞬で大ダメージを出せるわけではない。 なので最序盤のヘイガニ・タブンネ争奪戦では遠くからの継続火力を活かして敵ポケモンにダメージを与えて経験値獲得にリスクをつけつつ、炎マーク満タンの通常攻撃を使ってラストヒットだけかっさらうような動きを目指すと良さそう。 この時敵の木の実を消費させたいんで、回復わざを持たない敵を狙うように気をつけたい。
先の中央ヘイガニを上手く獲得していて、それ以降の経験値もヒバニーに集中させていたら最初のビークイン争奪戦時点でラビフットに進化できているかなというくらい。 だが、ラビフットへの進化はそんなに強引に狙う必要はない。 最初のビークイン争奪戦も先のヘイガニと同じように敵にダメージを与えつつ、炎マーク満タンの攻撃でラストヒットを狙っていく。 この時点でもまだ強くないのでそんなに強気には(少なくとも自分からは)出なくて良い。 状況にもよるがビークイン争奪時点で敵の中央担当ポケモンが上ルートに来ることもあるんで、ローキックは野生ポケモンに撃たずに脱出用に残しておきたい。
ちなみに、ここらへんまで一度も死なずにいると「中盤〜終盤強者のエースバーンを上手く咎められていない!」と相手が焦り始め、ゴール近くまで無理にダメージトレードを仕掛けに来ることがある。 そんなときはひのこを当てて相手の攻撃を下げしっかりとトレードを拒否しつつ、炎マーク満タンの通常攻撃を撃てるまでは追って相手を泣かせよう。 ゴール奥まで追ってくるような場合は脱出ボタン・ローキックを使って木の実を(敵に取られないように)回収した後、変速ゾーンで動きの鈍い敵ポケモンに延々と通常攻撃をすると相手が死ぬ。
で、2 回目のビークイン・ミツハニー争奪戦が始まるが、この争奪戦の前後で大体エースバーンに進化できる(2 回目の中央ヘイガニも大体同じようなもんなんで飛ばす)。 この時点でブレイズキックを覚えるので、突然単体火力と追撃性能が向上する。 また、進化によるステータス向上もあってだいぶ攻撃速度が良くなる。 争奪戦の内容は先の争奪戦と同じだが、エースバーンに進化するタイミングを意識して敵に大ダメージを与え、あわよくばブレイズキックの追撃で撃墜を狙いたい。
2 回目のビークイン・ミツハニー争奪戦が終わると大型ポケモン戦が始まる。 ここでフェイント・ユナイト技まで覚えていれば集団戦で十分な火力・追撃性能・回避性能を持つんで、大規模な集団戦が起きそうな方に移動すると良さそう。 まだそこまでレベルが上がっていないとか、そもそももっとレベルをあげる行為を優先したい場合は、大規模な集団戦が起きるのと逆側のルートに向かい滅茶苦茶に野生ポケモンを狩りまくると良い。 逆側の大型ポケモンをひとりで倒すとか、敵の中央エリアに入っていって(残っていれば)バッフロン・ルンパッパあたりを狩るとかすると、めちゃくちゃにレベルが上がる。
で、最終的にはサンダー前で大規模な集団戦が起きるはずなので、そこに参加する。 このサンダー戦は 1 分くらいかかり、死んだポケモンも 1 ~ 2 回リスポーンしてくるような長丁場になるんで、まさにエースバーンにとって最高の舞台になる。 大体のポケモンは 1 分も戦うとユナイト技を切ってしまったり重要な技がクールダウンに入っていたりして息切れしてしまう。 しかしエースバーンは通常攻撃を延々とやるだけで良いので息切れをせず戦い続けられる。死にさえしなければ。
そうしてサンダー戦で上手く敵を追い散らしたら、そのままブレイズキック + の攻撃速度上昇も使ってサンダーを一気に倒しきる。 サンダーを倒したら脱出ボタンやフェイントを使って敵ゴールに走り込み、ラストスパートタイムの 100 点シュートを決める。 その後フェイントを駆使して上手くホームに戻った後、点を取り返しにくる敵のシュートを邪魔してそのまま勝ちきろう。
試合全体の捉え方・組み立て方
先程のポケモン各論を見るに、「なーんかうまいコト中央ヘイガニ・タブンネ?とかいうのを取りたくて〜……ビークインとかも取りたくて……そういうのの取り合いで起きたことがなんか……大型ポケモン?の取り合いに繋がってるンすかねェ……」と思ってもらえるんじゃないかと思う。 そお!!!! そのとおりです。 このゲームを完全に理解しましたね。 おめでとうございます。完。
ところで、この「経験値の取り合いの繰り返し及びそのチェックポイントとしての大型ポケモン戦があり、それらを上手く得点に繋げて敵より多く得点し、勝ちを狙う」というポケモンユナイトの試合について、 なんか便利な理屈があると良さそう。 で、その理屈を使って自分の使いたいポケモン・やりたいプレイングを議論できるようになると、 どうにも「結構このゲームがわかってきた」と言えそうです。 それに何より、提供されるポケモンに対して自分なりの理解をし、それを更に自分なりのわざ / アイテム構成やプレイングに発展させていくという遊びは一等楽しい! ということでそういう 理屈 について考えてみましょう。
そもそものゲーム自体の有利不利
ところで、このゲームの勝利条件は「相手よりたくさんのポイントをゴールにぶち込む」です。 なのに上のポケモン各論では「ゴールを決めよう」みたいな話が出てこなかった。 これは何故なんでしょう?
このゲームのある時点での有利不利は「ある時点でのチーム全体でのレベルの大小」とか「ある時点でのアタッカーポケモンたちのレベルの大小」とかで語られることが多いんですね。 なので上のポケモン各論では「経験値の奪い合い」という観点で試合内での振る舞いを説明してみました。 ところで、何故有利不利をレベルの大小で語るかというと、今回は以下の 2 つを理由にしましょう:
- ゴールをぶち込むためにはサンダー・ロトムの大型ポケモンを取ったりゴール下から敵を退去させると便利で、この時大抵集団戦が起き、集団戦における有利不利が大雑把にレベルの大小で決まるから
- レベルの大小による有利不利は試合を通して維持されやすいから
この話を雑に図にするとこんな感じ。
いろいろな優位
ところで、ゴールをぶち込む・大型ポケモンを取るにあたって起きる集団戦の有利不利が 大雑把に レベルの大小で決まると言いましたが、では他に何で決まるのか? ゴールから敵を退去させるわざの有無、集団戦において影響の大きい広範囲大ダメージ技の有無、集団戦に参加するポケモンの多少、集団戦の陣形、大型ポケモンのラストヒットを取りやすい単体大ダメージ技の有無、大型ポケモンと直近ゴールの距離、大型ポケモン近くにいるのが自軍ポケモンだけであるという状況……色々ありますが、こういうのを今回は以下のように分類してみます:
- 質的優位: ポケモンの能力に関する優位
- ポケモンのレベルの大小
- 目標達成のための技の有無
- 数的優位: 行動(e.g. ゴールをぶち込む・大型ポケモンを取る)に参加するポケモンの数に関する優位
- 集団戦に参加するポケモンの多少
- 位置的優位: 行動時の陣形による優位
これら 3 つの優位の内「質的優位」の「ポケモンのレベルの大小」が試合序盤から終盤まで意識しやすく、かつソロランクのような「結局意思疎通もクソもナシに敵を全員ぶち殺してサンダー取るしかないだろ」と言わんばかりの環境で勝利の拠り所にしやすいので、現状かなり優先的に扱われている感じです。 これらの優位の話をさっきの図に混ぜ込むと以下のような感じ。
結局のところ、このいろいろな優位の奪い合いを常に行っているという形で試合を捉えると便利そうな気がします。
ゴールや大型ポケモンに安全に触るための 位置的優位 を確保したくて、そのためには集団戦で勝つための 質的優位 や 数的優位 を前もって準備しておく必要がある。 ここで特に経験値総量(つまりレベルの大小)からくる 質的優位 はそのまま拡大する傾向があり、上下ルートの小規模な争いはこの 質的優位 の奪い合いに焦点を当てている。 現状の環境ではカジリガメの取得によってレベル差による 質的優位 を広げたり埋めたりしてサンダー戦の 質的優位 にまで繋げる動きが人気で、カジリガメ獲得のための 位置的優位 確保のため、上側担当のポケモンが下側に移動して 数的優位 を作るような動きが好まれている。
どうでしょう、現状人気の試合運びについて、そこそこ短く説明できたような気がしませんか?
ポケモンの個性が生むいろいろな優位
結構このゲームの試合展開の捉え方が整ってきたような気がします。 上述のいろいろな優位の話を踏まえると、試合展開の捉え方からポケモン各論を考え出せそうです。 そんで、試合展開の捉え方一般からポケモンの構成やプレイングを自由に考え出せるようになると一等楽しい! なんで、ここまでで共有した試合展開の捉え方が「ポケモン各論」を生み出せるようなものか、試してみましょう。
エースバーンを例にしてみます。 こいつのわざ詳細説明を見ると、なんかすっげえいろいろなコトが書いてあってびっくりする。 しかしとりあえず全体的に「通常攻撃をたくさんしそうである」ことが特性の説明からわかります。 具体的には「急所率が上がり、通常攻撃が速くなる」のあたり。
で、この「通常攻撃をたくさんしそう」という特徴はどういう状況でどういう優位をもたらすのか考えてみます。 僕個人としては通常攻撃主体の特徴については以下の魅力を感じる:
以上をまとめると、エースバーンが育つと純粋に「継続的なダメージ」という観点で強い質的優位をチームに与えてくれそう。 一方で、経験値争奪を有利に進める技を持っていないので上手く育つためには工夫を要する。 これを雑に図にすると、「ポケモンの特徴が質的優位に繋がるまでに条件を要するが、その条件を満たすための特徴を持たない」という感じで、こう断線した回路みたいになりそう。
なんでエースバーンは試合全体を通じて
- そもそも敵をボコボコにして瞬間火力なしでも経験値を独占できるように努力する(ポケモン特徴から来る質的優位を経験値総量の質的優位に繋げ、かつ集団戦における質的優位も確保できるようにする)
- 序盤コケた場合はカジリガメに寄る・寄らないの 決断 をする
必要がある。 要するに、自分の存在を早く質的優位に繋げるべきだし自分の存在が質的優位に繋がっていない場合は寄るよりも先にレベル上げをするほうが良い。 前者について掘り下げると、ポケモン各論で言ったような「敵ポケモンの体力を削りつつラストヒットだけ狙えるようにする」という立ち回りが出てくる。 後者について掘り下げると、「逆側の大型ポケモンをひとりで倒すとか、敵の中央エリアに入っていって(残っていれば)バッフロン・ルンパッパあたりを狩るとかする」という立ち回りが出てくる。
いろんな Q & A
これでそこそこ実際の立ち回りからその背景にある考え方まで説明できたような気がする。 続いて、なんかたまに見かける諸々のユナイト質問についてもいろいろな優位を絡めて答えてみる。 これは単に、いろいろな状況についても同じ考え方で捉える練習をしておくとまた別の新種の問題についても思考を整理しやすかろうと思うため。
カジリガメに上側の味方が寄ってくれない!沼プレイですよね?
はい出た。出ましたでました。これね。
時と場合に拠ります。完。 じゃあどんな時と場合があるのか。 以下のような場合はそりゃ下に寄りたくねえだろと思う:
- 上のルートも下のルートもボコボコに負けていて数的劣位ナシの 5 v 5 をやってもどうせ負けるような場合
- 下のルートが勝手に(あるいは中央担当がカバーするも虚しく)ボコボコに負けていて上側込の 5 v 5 でやっとイーブンな集団戦をやれるような場合
これが何故寄りたくないかというと、 別に数的劣位を背負うまでもなくそもそも質的劣位を背負っているから です。 「別に上が寄る寄らないに関係なく下・中央は負けており、勝手に負けたやつらと一緒に集団戦をやって負けを上側にまで波及させたくない」というような場合には、上側担当はカメに寄らずに中央の野生ポケモンを食べて経験値の集中を図る場合がある。
この判断は例えば上側にエースバーンとか置いていて、下・中央がボコボコに負けてるような時に行います。 カジリガメに寄って敗色濃厚の集団戦に参加するより、上側のビークイン全部と敵側中央の野生ポケモンを食い荒らし、経験値を一体に集約する方が最終的な集団戦における質的優位に繋がる場合がある。 無理にカジリガメ狙ってキル分の経験値まで相手に渡しちゃうよりは、カジリガメの逆側でガブリアスやらエースバーンやらの終盤強者にモリモリ経験値を集中させるほうが手堅い対応かなと思います。
こういうのは 経験値配分による質的優位 みたいな考え方で、根本的には学習装置をディフェンス・サポートに持たせるのと同じ手法です。 ディフェンス・サポートも込で全員敵よりレベルが高ければそれが一番良いが、それができない(あるいはリスキーな)場合は特に重要な 1 体に経験値を集中させて突破力を担保するほうが良い。
経験値配分による質的優位に狙いを切り替える場合は、遠距離攻撃を使ってカジリガメのラストヒットだけ狙ってみたりして、逆側で味方が経験値を取るための時間を稼ぎましょう。 ピカチュウのかみなりなんかでもラストヒット奪えるし、ラストヒット奪うと相手にめちゃくちゃ損させられるのでおすすめ。
サンダー / カジリガメ / ロトム のラストヒットだけ取られるのがしょうもなすぎる。このゲームクソでは?
これは今まであんまり触れてなかった位置的優位を取りきれてないまま大型ポケモンを触り始めたのが大体の原因だと思います。 どちらも常にラストヒットを狙う権利を持つんで、ラストヒットだけかっさらわれないように大型ポケモン周囲から敵を徹底的に退去させる必要がある。 これができていない場合は大なり小なり大型ポケモンを盗まれる可能性があります。
また、位置的優位を取り切れていない以外にも、相手のラストヒット狙い用の技を落としきれていないという意味で質的優位も取り切れていない。 ルカリオ・エースバーンあたりの長距離高火力ユナイト技持ちがユナイト技を残した状態で生きていると、やはりそこそこ盗まれるリスクが出てくる。
上述の優位を色々加味すると、「ラストスパートタイミングにあえてチーム 4 人が姿を隠し、1 人だけスタジアムを走り回ってゴールを決める」みたいな動きが出てきたり、「結局サンダーをどちらも取らずに純粋にゴールを狙い続ける」みたいな試合展開が起きたりして楽しい! エキスパート帯あたりからたまに起きる。 こういう展開も今後広く認知されて皆が考慮できるようになるともっとゲームが発展しそうです。
ゲンガーが強すぎる。壊れてますよね?
ゲンガーの対処、
- 序盤でゲンガー(ゴース・ゴースト)をボコボコにしてゲンガーに質的優位を与えないようにする
- 集団戦の陣形をちゃんと整えてゲンガーに位置的優位を与えないようにする
- ヤドランとかいう暗殺タイプのポケモンに対する圧倒的な質的優位をぶつける
の 3 つが強い。
1 つめについてはルカリオ・カイリキーあたりの「ゲンガーより早いタイミングで強くなる ついでに身体がそこそこ強いゴリラ 」たちを使う。 ビークインタイミングでゲンガーが見えればゲンガーを殺してそのまま敵の中央ポケモンを食い荒らし、 ビークインタイミングでゲンガーが見えなければ敵の中央に入っていきゲンガーを見つけて殺す。 とにかくゲンガーがヘドロばくだん・たたりめを覚えて野生ポケモン狩り・集団戦ともに加速し始める前にゲンガーをボコボコにしよう。 最終的にゲンガーのレベルが味方のアタッカーより 2 くらい低くなっていればミッション完了! ゲンガーはたたりめで飛び込んできて死ぬだけのカスになっていると思います。
ところで毎回ゲンガーを咎められるわけではなく、ゲンガーがそこそこ育ったときにも勝ちたいよねという話がある。 そういう場合は 2 つめの集団戦における陣形を考えると良い。 大体の場合、ヘドロばくだんを喰らって毒を受けたやつが なんかしらんけど わざわざ味方の方に歩いていき、ゲンガーが全員にたたりめを当てまくるチャンスを与えてしまっている。 ゲンガーがたたりめを大量に当てないようになるべく密集しない陣形を作り、ゲンガーが出てきた瞬間にカビゴンが後ろ側にヘビーボンバー -> とおせんぼう するなどしてゲンガーを止めよう。 ゲンガーは馬鹿柔らかいんですぐ死ぬ。
てかもうこういうの全部面倒くさいときはヤドラン使おうヤドラン。 あいつのユナイト技はめちゃくちゃなんで。 ゲンガーが見えた瞬間にゲンガーにユナイト技打とう。 いろいろなポケモンに殴られてゲンガーは死ぬ。 ゲンガーのたたりめの火力が高いと言っても連打前提なところはあるんで、最初の一発目撃たれた時点で捕まえれば後衛のアタッカーたちも死なずに済むと思う。
味方ゲーすぎる
エースバーン・ピカチュウ使ってルートで経験値差つけて自分がとにかく生き残って敵を殴りまくればソロでマスター行けたんで(自慢)頑張ろう。 「集団戦における火力」・「大型ポケモンへの瞬間・継続火力」の 2 つの質的優位を持ってるポケモンを使って、最悪自分が生きていればなんとかなるというプレイングを目指すと結構やりやすいと思う。
成りました #ポケモンユナイト #NintendoSwitch pic.twitter.com/KNGKbe9Own
— アゾソン☖ (@muscle_azoson) 2021年7月26日
なんでサッカーの用語使ったんですか?
質的優位・数的優位・位置的優位みたいな言葉を使っていますが、僕はスポーツ下手くそのゲボカス陰キャなんでサッカー嫌いです。見たこともない。 TIEMPO というポゼッションサッカー漫画が好きなだけです。
おわりに
ポケモンユナイト、盛り上がって欲しい〜〜〜。 ところで、 MOBA というジャンルの宿命として、プレイヤーは他プレイヤーに攻撃的な言動をとりがちですね。 負けは全部味方のせいで勝ちは全部オレの活躍、そんなゲームなんで。
これ別にプレイしてる時にキレて叫んでる分には良いんですけど、こう折角配信者がこのゲームやってくれてんのに「カメに寄らないから負けてる。カメに寄らないのはダメ」だの「中央担当なのに味方助けないで勝てるわけないだろw」だののコメントをしてるやつを見かけると、ちょっと……悲しいですね…… シンっていう兄貴系の実況者が結構好きなんですが、彼もそんな感じの事をつぶやいていて、僕は悲しくなった。
ユナイト動画を投稿してわかったのは
— シン@たわむれる (@huratawa) 2021年7月24日
実際このゲーム「~しちゃだめだろ」ってコメントする人の割合はイカとかよりもかなり多いんだけども
それの何が具体的にダメなのかは書かない人ばかりなので、結局何も伝わらない
強気に間違った事を言う人もいるから鵜呑みにも出来ないけど
なんで、試合展開についてみんながもう少しまとまった思考や理屈を持ち、それに基づくフィードバックを行えるようになると良いなあという思いもあって馬鹿長い記事を書きました。 元来他人に何かを教える・指導する行為は難しく、動画のコメントなんかの雑な場でそんな行為をそもそもしないほうが良いんですが、するときにはもっと良い感じでやれると気持ち良いですね。
私は同僚が「ゴールアイテムガン積み爆速ゴールイワパレス」とかいう意味分かんないビルドを開発してランクを生き抜いているのを見てめちゃくちゃ元気になった。 他人の独自の理論やなんやについて、沼だとかいう一言で一蹴するんでなくワイワイ議論できるようなゲームになると良いなと思います。 おしまい。
ポケモンユナイトで遊んだ!
はじめに
昨日(2021/06/26)はポケモンユナイトのネットワークテスト最終日ですね。 みなさんポケモンユナイトやってみましたか? 僕はやった。おもしれ〜〜!となった。
チーム戦略バトルゲームとかいうのはやっぱ通話しながらわいわいやるとバカ面白い。 バカ面白いわいわいをやるために「MOBA やってない人もやってみようぜ〜」という意思を伝えるべく、ポケモンユナイトのゲーム的に詳しい部分を楽しもう!みたいな話を土曜日かけこみユナイトプレイヤー向けに書きました。 で、実際にわいわいやれた!良かったです。
で、今日はこう、ゲームとして奥深ェ〜みたいな話ではなく ワイワイやると楽しい〜〜 みたいな話をして、ネットワークテストは最高だったねという思い出の記録にしていきたい。 そして僕はこんなにみんなとポケモンユナイトやるのを楽しんでるんでみんな是非ポケモンユナイトで遊ぶ時僕を呼んでねというアピールをしておきたい。
お品書きは、
- みんなで議論しながらプレイするのは楽しいね
- 狙え!オモロコンボ / 珍プレー
- みんなで遊ぶにも色々あるよ
- 大喜利アホピック
- おしゃべりギャルならどこでもウッウ
です。 なんだか僕とポケモンユナイトをやると楽しそうですね。よろしくおねがいしますよ〜〜。
続きを読むポケモンユナイトで遊ぼう!
はじめに
今日(2021/06/26)はポケモンユナイトのネットワークテスト最終日ですね。 みなさんポケモンユナイトやってみましたか? 僕はやった。おもしれ〜〜!となった。
このゲーム、「好きなポケモンで上下ルートや中央エリア?とかいうところウロウロして野生ポケモンを倒しまくって、たまにゴール前で敵と戦う❗敵と戦って勝ったらゴール❗気持ちE〜〜」と遊ぶだけめちゃめちゃ楽しいのでえらい。 やっぱポケモンはかわいいしかっこいいんで、そこがこうゲームにわかりやすい楽しみを生んでいて良いですね。 本当にポケモンを走り回らせて 5 v 5 の戦闘をするだけでなんだか楽しいんで、ネットワークテストの機会に是非遊んでみてほしいです。
ところでポケモンユナイトはポケモンが動いてるだけでクソ楽しいゲームな上に、チーム戦略バトルゲーム(公称)というジャンル上かなり奥深い戦略性が感じられます。 一方でこの奥深さをすぐには把握できず、「なんかポケモン動かして遊ぶのは楽しいけど全体としてよくわからずつまらない」みたいな感想になりそう。
ここで、ネットワークテストでポケモンユナイトを触る人がすぐに奥深さを意識できるとみんな happy になるだろうと思う。 そこで今回急ぎ ポケモンユナイトは限られた資源である野生ポケモンをチーム間で取り合いつつ、チーム内での適切な配分を目指していく戦略ゲームである という話をします。 文章を構造化するのがダルいんでトゥイッターで見かけた意見とか不慣れそうなプレイヤーの動きを元に問答風に話を進めます。
なんか途中からバトルで全然勝てなくなるからつまらない
野生ポケモン倒しまくろう!マジで! 特に 2 回進化するポケモン使うときは野生ポケモン倒しまくってとっととレベル上げて最終進化までさせてからバトルするとかっこよいし強くて楽しいぞ!!
なんかたまに「何回やられてもすぐに前線に復帰して再交戦による前線の維持を目指す」みたいな動きをしているプレイヤー(以下太郎君と呼ぶ)を見かけます。 そしてこの動きをすると試合がとんでもないことになるし、多分本人も途中からイライラするんじゃないかと思う。
このゲームではプレイヤーのポケモンは野生ポケモン・敵ポケモンを倒すと経験値を得て強くなっていくんですね. なんで、序盤にとりあえずバトルしてみて負けた太郎君が急いで前線に復帰し再戦を申し込んだ時、そこには 太郎君を倒し、更にその後付近の野生ポケモンまで倒してレベルが 1 ~ 2 上がった敵ポケモン が鎮座している。 レベルが 1 ~ 2 違うとステータスにも差が出てるし、技が強化されていたり相手だけユナイト技を使えるレベルになっていたりするので、太郎君はもう一度倒され 相手は更にレベルが上っていよいよ手がつけられなくなってくる 。 なんで、「ずっとバトルして遊びたいのに途中からバトル勝てなくてつまんなくなる」人がポケモンユナイトをよりオモロく遊ぶためには 「バトルで自分を倒した相手と次に会う時、そいつは自分を倒したときよりも更に強くなっている」という意識が大事そうです。
なんで、結局のところ一度バトルで負けるとその遅れを取り戻すために凄く頑張って 自分より強くなってしまった敵ポケモンの目を掻い潜りながら 野生ポケモンを倒しまくるしかない。 また、バトルを一度もしなくても相手よりめちゃくちゃたくさん野生ポケモンを倒してレベルを上げておけばテキトーにバトルをしても大勝できたりもする。 それで結局は「野生ポケモンを沢山倒そうな❗」というのがこのゲームの骨子になります。 要はバトルするばっかじゃなくてポケモン育てような、ということです。
で、この「相手チームよりも早く強くポケモンを育てよう」という話が次の中央エリアの話に繋がります。
中央エリアとかいうのゴールもなんもなくてよくわかんない
別名、「ジャングラーとか森とかってなんだよ気持ちわるい言葉使ってんじゃねえぞ MOBA のオタクのおじさんがよぉ」です。 MOBA というのはチーム戦略バトルゲームの別名みたいなやつです。 ポケモンユナイト以外にも MOBA を経験している気持ち悪いおじさんたちは「ひとりくらい中央エリアの野生ポケモン狩っといてほしい、かな😊💦」みたいなことを急に言ってくることがあり、あまりに唐突なのでキモい。
中央エリアに行く意味って何?
キモい MOBA おじさんはキモいが、中央エリアの野生ポケモンをちゃんと倒すのは大事です。 第一に中央エリアの野生ポケモンを倒さずに放置しておくとチーム全体として獲得できる経験値が少なくなるので、じわじわと上述太郎君状態に近づいてしまう。 「とにかくたくさん野生ポケモンを倒そう」的な観点でも中央エリアの野生ポケモンはちゃんと倒しておきたい気持ちですね。
で、もう少しおもろい話として、「中央エリアの内更に真ん中あたりは安全地帯から遠いが故に戦略上重要な地点であるので、ここを自陣が 占拠 するために中央エリア担当ポケモンをチーム内に置きたい」という話があります。 中央エリアは上下ルートの両方に移動しやすい位置なので、中央エリアを 占拠 した側は試合を動かしやすいです。 また中央エリアには ゴールもなんもない ため、中央エリアの野生ポケモン獲得のためには両チームがそこそこのリスクを負う必要があり、試合が中央エリアにおいて動きやすくもなっています。
まず中央エリア 占拠 の流れは大体以下:
- ミツハニー・ビークインが出現するタイミングで中央エリア担当者が上下ルートのどちらかに移動し敵を追い出し、チームでミツハニー・ビークインの経験値を獲得する
- 獲得した経験値有利あるいは敵を追い出した有利を活かして中央エリア真ん中のヘイガニを独占する。
この過程で得られる利益は以下:
これらの利益はその後のロトム・カジリガメ獲得にも経験値有利として影響します。 で、当然ロトム・カジリガメを獲得できればゴールを決めやすくなったり次のバトルに勝ちやすくなるんでどんどん有利になっていく。 凄いですね。 これはもう当然チームとしては中央エリアを意識したい。
以下はなんか折よく 占拠 できたときの動画。 上ルートで一度バトルが起きていて、かつ敵が体力の少ない状態でビークインを触り始めていたので、復帰したピカチュウと合流して敵上ルート担当を追い払った。 相手中央担当も合流してきていたがちょっと遅かったのと、僕がしれっと上ルートのビークインたちの経験値を取ってレベル勝ちしていたのでついでに倒せた。 この後中央のヘイガニ全部獲得できたんで 気持ちよかったです。
なんで中央エリア担当ポケモンがほしいの?中央エリア担当ポケモンは一匹じゃないとダメなの?
ここで、中央エリアの 占拠 ってのはぶっちゃけると、さっきの太郎君の話と同じような感じで「お前いっぺん中央エリアで負けたんだから次またうかつに入ってきたら何が起こるかわかってるよな??」と睨みを聞かせるということです。
ところで、味方チームの全てのポケモンが上下ルートでマップに写っていると敵チームは「あっ、中央エリアヤクザたち今中央エリアにいないじゃん!今のうちに中央エリアの野生ポケモン取っておこ😊」という判断ができてしまうんで、睨みを聞かせるためには「マップになかなか写らず、中央エリアで突然出くわすと大変困るようなやつ」がチームにいてほしい。 ってことで「中央エリア担当ポケモン」みたいなのがチームにほしいよねという話になる。
ここで中央エリア担当に 3 匹とか割いてしまうとゴールを守るポケモンがいなくて「戦略上重要な拠点を守って本国を爆撃される」みたいな意味不明なことになってしまうんで、まあ中央エリア担当に多くの数は割けないかなという気がします。 個人的には 2 匹いても良いかな(っていうか試してみると面白いかな)と思うけど、やはり「中央エリアで突然出くわすと大変困る」ような強さになっていることが大事なんで経験値を 1 匹で独占するほうが良い気がする。 できればアブソルみたいなタイマン番長を 1 匹だけ中央エリア担当にして、「中央エリアで出くわせば敵を倒すし、誰も中央エリアに来ないなら暇なんで上ルートか下ルートに遊びに行って敵を倒す」みたいな手のつけられないヤンチャ犬にしていきたいですね。
以下はさっきの占拠の後、敵がヘイガニを触れなくなっている動画。とにかく気持ち良い。
ところで、なんだかこの感じだと「中央エリアおもろすぎィ!自分、中央エリア良いっすか?いきなり中央エリア来てすみません!許してください!なんでもしますから!(中央エリアの経験値を譲るとは言ってない」みたいな大無法中央エリア時代が到来してしまいそう。 だけども結局中央エリアにはそんなに数を割きたくないですね。 じゃあ上下ルートに行く人たちは「本当は中央エリアで暴れまわって試合を動かしたいけど他の人に中央エリアを取られたから渋々上下ルートに行っている」のか? んなわけねえわ。 上下ルートにも中央エリアとは別の試合の動かし方があり、おもしろみがありますよという話を次にします。
上下ルート、ゴールが近すぎてつまんない。野生ポケモン倒しきったらやることがない
これ!!これめっちゃわかる〜〜。 上下ルートはゴールが近いんで、ちょっと敵を小突いても敵がゴールに逃げ込んじゃうんで倒しきれず、なんつーか気持ちよくない。 じゃあ上下ルートは何が楽しいのか?敵を倒す以外で何をやればよいのか? ざっくり言うと
- ルート真ん中あたりに出るヘイガニ・タブンネ・ビークイン(ミツハニー)を巡って小競り合いをする
- 小競り合いを通じて敵の体力を削ってゴールにこもらせたり木の実を消費させたりして、来たるべき中央エリアでの抗争に備える
- ていうかもうゴールなんか知らねえよ俺は腕力で倒し切る
です。
ルート真ん中あたりに出るヘイガニ・タブンネを巡って小競り合いをする
ゲーム開始直後あたりにルート真ん中(お互いのゴールから当距離くらいの位置)にヘイガニ・タブンネが出るので、 こいつの経験値を巡って敵チームと競り合うというのが上下ルートにおける駆け引き・おもしろみの第一歩になりそうです。 簡単な駆け引きだけでも:
などがあります。 もう少し戦略的な方法になると
- lv4 進化ポケモンをルートに配置し、ゴール近くエイパム 2 匹までの全経験値を lv4 進化ポケモンに渡してルート内 2v2 で有利を取れるようにする
- 中央エリア担当と示し合わせて真ん中の野生ポケモンの小競り合いで 2v3 の数的優位を確保する
などもあります。 特に 「ゲーム開始時点で自陣ルートに配置されているエイパム 3 匹とゴール近くのエイパム 1 匹の経験値を全て獲得すると lv4 になり(なったと思う、多分)、アローラキュウコンやイワパレスに進化して強くなれる」というのはおもしろいですね。 「試合内での進化がありかつそのタイミングがポケモン毎に違う」というゲームの特性を考慮してチーム内で経験値の分配を工夫する手法であり、なんだか奥深さを感じませんか? ここらへんの経験値の分配を考え始めると、「じゃあ俺のヤドランはアローラキュウコンと同じルートに行くんで経験値をあまり取らないほうが良いだろうから学習装置を持っておこう」などの工夫も生まれてきて、 ポケモンユナイトマジでおもろすぎだろとなる。
以下は序盤の小競り合いにおいて上ルート同伴したカビゴンが滅茶苦茶うまかったおかげでレベルも上がったし相手もぶちのめせた図。こういう「味方と上手くやれた感」があるのは上下ルートのオモロいところな気がする。 youtu.be
小競り合いを通じて敵の体力を削ってゴールにこもらせたり木の実を消費させたりして、来たるべき中央エリアでの抗争に備える
で、お互いが工夫をして経験値を取り合う時、相手の工夫を潰そうとしたり「もう経験値はとりにくそうだから相手ぶん殴っておこう」という判断をしたりする。 上下ルートでは常に「経験値を上手く獲得しつつ敵にもダメージを与える」という駆け引きが為されています。 どちらも上手く行けばレベルも体力も万全な状態で中央エリアに向かい、中央エリア担当者と共に容易に占拠できそうです。 ルートでの経験値は取れなくとも敵の体力を削れていれば、中央エリア担当者と一緒に急いでヘイガニを倒しきりルートの経験値負けを取り戻すという動きもできそう。 逆にルートでの経験値を取ったけど体力が削れている場合は中央エリア担当者に占拠を諦めてもらったり、中央エリア担当者がアブソル・ファイアローなどの機動力に長けたポケモンであれば「草むらに隠れてトドメだけ奪い経験値を盗む」を中央エリア担当者に挑戦してもらうのもアリ。
こんな風に、上下ルートの展開は中央エリアの占拠に強く関与しています。 中央エリア占拠のための行動の選択肢を上下ルートの駆け引きで増やしていくという感じ。 中央エリアの占拠はその後の全ての試合展開に関わるんで、試合展開の第一歩目を上下ルートで担っていると言っても良さそうです。 こう考えると上下ルートも「おもろすぎィ!」という気持ちになってきませんか?
ていうかもうゴールなんか知らねえよ俺は腕力で倒し切る
ところで、このゲームでポケモンバトルをするのはマジで派手でかっこよいし勝つとクソ気持ち良いんで、本音を言うとルート内の敵を圧倒的なパワーでねじ伏せてぶちのめし、無人の荒野で悠々とゴールを決めたい。 以下俺が(どちらかというと勝因はチームワークだが)クッソ気持ちよくなったシーンの動画。
こういうクソ気持ち良い場面はある。 これ下で負けた敵がすぐに上に復帰してきてロトム獲得に切り替えてるところとか、味方もすぐに上に来てくれたところとか、味方がちゃんと前衛張ってくれてるところとか全てが割とちゃんとしていてクソ気持ち良い。 こういうクソ気持ち良いバトルは結構ルートで起きがち。
実のところルートでバトルすると気持ちよくなりがちという話なんで、担当が中央エリアでもルートに遊びに行くとこう「勝っちまったぜ!」みたいな気持ち良い事件は起きる。 以下中央エリア担当してるときに上ルートゴールをカバーしに行ったら気持ちよくなれた動画:
舐めた場所でふざけた喧嘩を売ってくる奴らを生きて返さないということ pic.twitter.com/80cB0pKtcO
— アゾソン☖ (@muscle_azoson) 2021年6月25日
まあ気持ち良い。 こういう気持ち良いをするためには「実は自分は今勝てるんではないか?」を見極める嗅覚とか、相手の戦略上の甘えを見逃さないいやらしさみたいなものが必要で、 それがないと太郎君になってしまうので気をつけたい。 太郎君にならないためにはやはりルート内での駆け引き(ゴールしただとどのくらい有利か、木の実でどれくらい回復できるか)みたいなものが大事なんで、本質的にはルート担当の楽しみかなという気がする。
ちなみに俺も気持ちよくなろうとして何回か太郎君やっちゃったことある。チームメイトごめんね♡ ていうかもうぶっちゃけると「俺が死んでも中央エリア担当者がゴールカバーくらいしてくれるやろ!wスーパープレイ狙ってみよう!w」ってやってる時ある。上下ルートのスーパープレイはクソ気持ち良いんで。 バカみたいなスーパープレイをやりたい君は上下ルートでチャンスを狙おう!
そして伝説へ……
ルートの小競り合いや中央エリアの抗争が終わると大体ゴールが 1 つくらい壊れる。 ゴールが 1 つ壊れると、壊した側は「勢力圏(移動して野生ポケモンを獲得できる範囲)が広がる」という有利を得る一方、壊された側は「スーパージャンプで数的優位を取ってゴール付近のバトルでの勝ちを狙う」という逆転のチャンスを得たりもする。 ゴールが壊れた後の展開はチームのポケモン構成やレベル状況によって滅茶苦茶変わって本当に果てがなく奥深いんで、後は雑に中盤・終盤にかけて起こることを紹介して終わろうと思います。
全力で野生ポケモンを狩りまくって世界最強を目指す
僕は結局バトルでスーパープレイして滅茶苦茶気持ちよくなりたいんでこれをよくやる。 勝ってるときは勢力圏が広がってる ので 野生ポケモンを狩りまくって ちゃんと 有利を広げる。 負けてるときは自陣近くのバトルやロトム・カジリガメ・サンダーのバトルで勝って逆転したい ので 野生ポケモンを狩りまくって ちゃんと 不利を埋めていく。
こう書くとやや狂人の言い分感がでてしまうが、2 段進化するアタッカー・バランスタイプのポケモン(特にエースバーン)なんかはレベル上げがすごい重要で、 試合が進んだからといってレベル上げをサボるとすぐにお荷物になってしまう。 「進化する / 技が強化される と強い」みたいな、あるポケモンが凄く強くなるタイミングを「パワースパイク」と呼び、 自分のパワースパイクを迎えてから戦うというのが結構重要でもある。 レベル上げ、レベル上げ、レベル上げをしましょう。
倒せそうなやつがひとりで歩いてるところを急に襲いかかって倒す「通り魔」を繰り返す
アブソルなんか使ってるときによくやる。 これは勝ってても負けててもできます。 上の「世界最強を目指す」をコツコツやってる不届き者を襲いかかってぶちのめす。 勝ってようが負けてようが敵チームに世界最強が生まれると困るんで……
「通り魔」ができる程度の強さを得るためのレベル上げはもちろん必要。 レベル上げだ。レベル上げをしよう。
相手の世界最強を囲んでぶちのめす
ヤドランなんか使ってて、上の通り魔もできずに敵チームに世界最強が生まれてしまったときにやる。 ユナイト技の意味不明な長時間行動不能を敵の世界最強にぶつけ、その間に味方チーム全員でタコ殴りにしてなんとか倒す。
敵に世界最強がいる時、敵の他ポケモンは経験値を世界最強に献上していてそんなに育っていない場合がある。 そういう「世界最強さえ倒せば後はなんとかなる!」みたいなときに有効な動き。 世界最強を倒した後は世界最強が復帰する前に野生ポケモンを狩ったりゴールを狙ったりサンダーを狙ったりする。 世界最強をいじめ続けて世界最強の座から転落させるのもアリ。
自分の指先を信じて大怪盗的な動きでの得点を繰り返す
いよいよジリ貧になってきたときなんかにやらんでもない。 敵がサンダーと戦っててサンダーの体力があと僅かな時に突如ファイアローのユナイト技で飛び込んでサンダーのトドメを奪うとか、 アブソルで単騎でゴールを決めた後つじぎりとだっしゅつボタン・スピーダーで急いでゴールから離れるとか、そういうやつ。
滅茶苦茶指先の精度と反射神経を求められるんであまりやりたくない。 俺はもうおじさんだから……そういうのは疲れる……スマブラのバカでかいステージもキャラが見にくくてしんどいし……
さいごに
ポケモンユナイト、おもしれ〜〜。 こういうチーム戦略バトルゲームのオモロ、「状況を多角的に見て相手より自分が有利な状況を作り出す、そのための駆け引きを繰り返す」こととその奥深さにあると思っている。 戦略上の駆け引きと戦闘が同時にあって脳汁めっちゃ出るみたいな話。 で、ポケモンユナイトはポケモンなんで、戦略上の有利の一面を「ポケモンが進化している」で見た目的にわかりやすく出来てるのがめちゃくちゃ良いですね。
見た目的にわかりやすくしつつもちゃんと戦略上の奥深さを残してるのもえらいし、試合が 10 分で終わるのもえらい。 遊びやすくて奥深いって感じで良いですね。 しかし奥深さの部分は説明されねえとわかんねえよみたいな点も多いんで、一旦説明してみました。
僕はチーム戦略バトルゲームすきおじなんで是非ポケモンユナイト流行ってほしい。 この記事で「ネットワークテストやったけどこれは良い!本配信でもやります😊」みたいな人が増えると嬉しい。 本配信始まって遊ぶ時僕も呼んでね。お願いします。
デジモンバイタルブレス買っちゃった。生活ちょっと変わっちゃった。
はじめに
デジモンの育成玩具系久しぶりの新作(ver. 20 th やらなんやらのリメイク・リバイバル作品でない)であるバイタルブレスが 3 / 13 に発売されましたね。
世間の話題が馬ガールとかシン・イーヴァンとかモン・ハンに掻っ攫われてるせいか、先日の会社の飲み会で「アゾソンしかデジモンの話をしてないからデジモンの新作とかいうのはアゾソンの妄想かと疑い始めていた」と言われてめちゃめちゃウケちゃった。
流石にウケ過ぎて悲しくなったんでデジ・モンの記事を書きます。
「延々と デジモン自体の話
をしたあとに本題のバイタルブレスの話をする」というアホの構成になってるんで、最後まで読むのだり〜な人に向けて感想まとめておくと
- 良し🙆♀️ : 活動量計使ってデジモン育てようぜっていう大本のコンセプトと実際の育成体験が良い
- 期待 👩🎓 : DiM カードやらアプリ連携やらを使った機能・コンテンツ追加
- 悪し🙅♀️ : アプリ連携の方法とかバトルの仕様とかバイタルブレス本体の育成機能とか活動量計としての機能とかの諸々細かい部分がガバガバでアホ
- 殺意 💀: DiM カードでふざけたガチャ・限定版商法やってんじゃねえぞバカ
- 参考図書: こち亀 105 巻「超育てゲー『モンチッチ』の巻」
って感じになるっす。
デジモン・育成玩具・バイタルブレス ってなんやねん
この章全部デジタルおじいちゃんの昔話コーナーなんで飛ばしても良いです。 「デジモンっていうキャラクターコンテンツがあって、その初出は育成玩具であり、バイタルブレスは育成玩具としての新作ですよ楽しみですね」というだけの話をしている。
デジモンってなに?
てか皆さんデジモンって知ってますか?
デジモンっていうのは玩具メーカーのバンダイくんが持ってるキャラクターコンテンツです。
このコンテンツは 2000 年前後に結構流行し、アニメやら家庭用ゲーム機のソフトやらトレーディングカードゲームやらのマルチメディア展開も行われてました。
アニメ デジモンアドベンチャーがめちゃクソ良かったんで、その主題歌である Butter-Fly は当時のガキの心に深く刻まれ現代でも有名なインターネット童謡になっていますね。
そこらへんの「キャラクターコンテンツであるデジモンが流行っていた良き時代」の話をすると一晩経ってしまうんでやめときます。
とりあえず「ポケモンはピカチュウ」で「デジモンは だけど WOW WOW WOWOW WOW 明日の予定もわからない
つってるときの角の生えてる恐竜」です。
これで一旦キャラクターコンテンツとしてのデジモンについてなんとなく気持ち掴んでくださいお願いします。
育成玩具ってなに?
デジモンってコンテンツの初出が 育成玩具 なんすよね。
時は 1997 年、当時バカほど流行していた「たまごっち」っていう玩具にバトル・モンスター要素を付け加えて「デジタルモンスター」っていう玩具が生まれたんですね。
「コンピューターウイルスが進化した電子生命体であるデジモンを育てて戦わせよう!」みたいなコンセプトの玩具でした。
ほんでこのデジタルモンスターという玩具が結構オスガキの間で流行して先述の WOW WOW
になりました。
WOW WOW
が終わったあとも実は育成玩具は続いており、なんやかやでバイタルブレスになった。
まずガチで 育成玩具
とかいうのはなんなんだよ
育成玩具マジで想像もつかない人のために、育成玩具の始祖であるたまごっちの話を通じて詳しめに説明します。 たまごっちは液晶画面に表示されてる謎の生物の面倒を見る玩具です。 具体的には餌をやったり💩を流したり機嫌を取ったりする。 で、この謎の生物は玩具の内蔵時計によって現実時間を考慮して成長( 進化 という。姿が変わる。変態 が近い)していく。 最終的には寿命を迎えて死ぬ。 全体として「自分と同じ時間を過ごしているやつの面倒を見ている」感が演出されるんで、まるで実際に何らかの生き物の世話をしてるような気分になれる。 こんな仮想ペット育成体験を提供する玩具が「育成玩具」ってやつですね。
お前それたまごっちの話じゃねえか 育成玩具
としてのデジモンはなんなんだよ
たまごっちに 見た目がどうとかだけじゃなくて強い弱いの話をしようぜ というマッチョイズムをぶちこんでデジモンが生まれた。 先述のとおりたまごっちは世話の出来不出来によって姿を変えるんでプレイヤーたちは「俺のほうが良い姿に進化したぜ」「俺のもかわいいぜ」といって交流を取っていたんですが、そこに 「そんなん良いからどっちが強いか決めようぜ!」 という蛮族の思想を持ち込んだ。 結果デジモンは お互いに育てた生物同士を戦わせる機能を持ち、この戦闘行為自体が生物のさらなる進化に関与する という血なまぐさい育成玩具として誕生した。
当時のオスガキにこの蛮族の思想は大流行しちゃった。オスガキはだいたいそんなもん。 僕がガキの頃は、近所の公園に行って別のガキに「おいバトルしろよ」と言うとデジモンバトルが始まるくらいには流行っていた記憶があります。
はえ〜、その玩具って現代まで続いてたんすか?
アニメの WOW WOW
のシリーズが終わるに連れてデジモンの流行も収束していったんですが、「 育成玩具
としてのデジモン」はバトル・育成について以下のような変化を続けながらほそぼそと生き残っていました:
- バトル面の変化
- 育成面の変化
僕が一番好きだったのはペンデュラム X というシリーズで、好きすぎたんで唐突に説明ポンチ絵を置いておきます。 そんなこんなで変化を続けてきた育成玩具がとうとう「デジモン育てるのにプレイヤーの心拍数使います」などの意味不明なことを言い始めたのがバイタルブレスなんすね。
バイタルブレスの話(ここからようやく本題)
デジモンの育成について「心拍・加速度などのプレイヤーの身体に関わる要素によってデジモンの状態が変化する」というアイディアを引っさげて登場したのがバイタルブレスです。 バイタルブレスはいわゆる活動量計のような形状で腕に装着可能となっておる。 活動量計の中にデジモンがいるような感じの 玩具(ここ重要なので太文字) で、プレイヤー自身の散歩や軽いストレッチなどの健康活動がデジモンの良い状態に繋がるんで結構楽しい。
楽しいところ
雑に言うと「スクワットするとデジモンが強くなって気持ち良い」
プレイヤー自身の散歩や軽いストレッチなどの健康活動がデジモンの良い状態に繋がるんで結構楽しい。 もっというと仕事の合間にスクワットをするとデジモンが強くなり、俺の生活の素晴らしさがデジモンの強さとしてフィードバックされて気持ち良いんで楽しいという話です。
ここらへんの気持ち E フィードバックをするために本作ではデジモンの状態を バイタル / トロフィー という数値にまとめて取り扱っている。 腹を空かしたりウンチを撒き散らしたりはしない。 バイタルはプレイヤーの身体状態やデジモンのバトル勝敗によって上下し、トロフィーは「ミッション」っていうのを達成すると増える。 ミッションは主に「20 秒間軽くスクワットしろ」みたいなやつなんで、めちゃめちゃ雑に言うと「トロフィーを稼ぐために仕事の合間にスクワットする」ってのが今作の育成体験であり、仕事の合間にスクワットをするとデジモンが強くなる。 これは当然気持ち良い。
真面目に言うと「デジモンのために生活を変えちゃうのが楽しい」
もう少し真面目に楽しさを分析すると、今作だと デジモン育成のために生活を変えちゃう タイミングが多く存在している。 このせいで デジモンがちゃんと仮想ペットしてる 感があって楽しいかも。
このゲームは強いデジモンの育成を大目標にしている。
ここで、強いデジモンを育成するには「時間を使ってめちゃめちゃデジモンバトルをさせる」か「コツコツ健康な生活を送る」の少なくともどちらかをやる必要がある。
僕の場合は「コツコツ健康な生活を送るほうが 特別ゲームをやる時間
を設けずに済んで楽かな」と思うんで、結果ちょいちょい仕事中にスクワットをするなどしている。
この時僕はデジモンのために生活を変えちゃっている。
真面目に運動する場合に限らず「今週は運動面倒くさいんでサボってハズレデジモンに進化させちゃおうかな」と思う場合にも、今までは意識してなかった 今後数日間の運動予定 みたいなものを考えさせられており、その点でデジモンのために生活を変えちゃっている。
ここらへんの 生活を変えちゃっている 体験が「デジモンが仮想ペットとして生活に関わってる感」を与えてくれて楽しいような気がする。
初育成個体も生活を変えちゃったかもしれん
僕が初めてバイタルブレスで育てたデジモンはハズレデジモンである「ナマケモン」に進化しちゃった。 なんでかというとバイタルブレスをつけ忘れた結果デジモンの状態がめちゃめちゃ悪くなっちゃったため……。 で、こいつはバトルがめちゃくちゃ弱い。
バトルがめちゃめちゃ弱いと「時間を使ってめちゃめちゃデジモンバトルをさせる」手法は使えなくなる。 なんでこいつを上手く進化させるには「こまめに運動をしてデジモンの状態を良くしつつ、勝てそうな敵を選んで戦ってみる」という甲斐甲斐しい世話を求められる。 結果ハズレデジモンを進化させるためにしばらくはちょっとした運動の頻度が増えるし、別個体を育成する際にも「ちょいサボりたいけどこんくらいだったらカスデジモンにするよりは今頑張るほうがマシかな」など考えるようになる。 結局 デジモンのために生活を変えちゃった 。
これ〜〜〜〜〜楽しいっすねえ!! ナマケモンからちゃんと最終形態まで進化させられた時めちゃくちゃテンション上がっちゃった。 全体としてまず育成に楽しみを覚えたんで、俺はバイタルブレス中々良い玩具だと思いました!!(ここ大事)
期待できるところ
育成
「デジモンのために生活変えちゃった。たのしいね♡」つっても「あー今回は良い生活を送ったな〜」と思う度に毎回同じデジモンに進化してたらつまんないじゃないっすか。 これは単純に飽きの話。 「生活を変えて育成をして色々なデジモンに進化させよう!」って遊びをやるときには「色々なデジモン」って部分がデカいほうがプレイヤーを飽きさせにくいと思う。 で、ここについてバイタルブレスでは DiM カードっていうコンテンツ追加機能を搭載して対応しようとしている。
DiM カードってのはざっくり言うとゲームソフトみたいな感じで、こいつを本体にぶっ挿すと育成対象のデジモンが変わる。 進化条件も変わる。 「カントー地方のポケモンは大体見たので次はジョウト地方のポケモンにしようかな」みたいな感じで登場モンスターを変えられる。 これは偉い!偉くないですか? 長く楽しめそ〜〜という点で期待大。
バトル
今作のバトルは初代と同じ「なんか勝手に戦い始めて勝ったり負けたりする」システムなんでつまんないです。 一応バイタル値がデジモンの耐久力に関係していたりデジモンの機嫌によって攻撃が強くなったりはするけど、結局バトルに際してプレイヤーができることは「敵デジモンが自分のデジモンより強いか見極める」 でしかないんでつまらん。
とりあえずスマホアプリの方で何か対応しようとしてくれてるような気がする。 レイドバトルやらアリーナバトルやらと名付けてスマホアプリ上でバトル機能を提供するらしい。 おもろいバトルさせてくれや。頼むぜ。
悪し
とりあえず前提として僕はめちゃめちゃバイタルブレス楽しいと思う。 思うが、しかしクソなところは当然ある。
活動量計をやれ
まず一番でかいのは、 こいつは活動量計みたいな機能を持つ玩具であって活動量計としては使えない というところ。 どういうことかというと、この玩具は心拍数やらの身体に関する情報を測定した後 デジモンの状態に換算して保持している。 一応本体に心拍数表示機能があるんだけど「1 日の心拍数を時刻データとともに保存する機能」がない。 スマホアプリで確認できるのは「その日のデジモンのバイタル値の増減」であって「人間のバイタルデータ」ではない。 なので「自身の健康状態の記録・管理・観察」にはこの玩具は全く適していない。 結果として僕は右腕にデジモンをつけて左腕に FitBit をつける異常者になっている。
あとこれは大変アホな話なんですが、バイタルブレスは普通の活動量計と比べて取れやすいし邪魔くさいし壊れやすいんで、僕はボルダリングやる時バイタルブレスつけてません。
NFC 使うな
この玩具、スマホと連携してデジモン図鑑を埋めたり追加でミッションに取り組んでトロフィーを稼いだりできるんですが、スマホと連携する際に NFC を用いて通信しようとしている。 NFC については今の所何も良さを体験できてない。 これは NFC だけのせいではないかもしれないが、アプリとの連携体験がめちゃくちゃ悪いっつか手順が難しい。 俺は初めてスマホと連携するときに手順難しすぎて 25 分くらいかかりました。
殺意
ところで、僕は先程 DiM カードのことを褒めましたが、バンダイくんのここ数日の DiM カードの売り方はゴミでアホでカスで max baka だと思いました。 具体的には 19800 円のメダロットファングッズについてくる特典 DiM カード と 1 回 800 円のガチャを回してゲットする全部で 4 種類ある「デジモンテイマーズ 20 周年記念 DiM カード」 が baka。 金むしるならもう少し丁寧に控え目にやれ。 しかも後者については 20 周年記念グッズとしての質も低い。
ちなみに一般販売されてる DiM カードについては収録デジモン多いし良いと思った。 今月発売される VOLCANIC BEAT / BLIZZARD FANG も新登場デジモンを収録しつつ火山エリアデジモン / 氷河エリアデジモンっていうテーマを持たせててかっけーですね。 www.bandai.co.jp
おわりに
ダラダラと書きなぐってしまったが、まあバイタルブレスのレビュー自体は はじめに
に書いたとおりです。
一応再掲:
- 良し🙆♀️ : 活動量計使ってデジモン育てようぜっていう大本のコンセプトと実際の育成体験が良い
- 期待 👩🎓 : DiM カードやらアプリ連携やらを使った機能・コンテンツ追加
- 悪し🙅♀️ : アプリ連携の方法とかバトルの仕様とかバイタルブレス本体の育成機能とか活動量計としての機能とかの諸々細かい部分がガバガバでアホ
- 殺意 💀: DiM カードでふざけたガチャ・限定版商法やってんじゃねえぞバカ
育成玩具のデジモンに今作から初めて興味を持った人にも(その人が活動量計を欲しがっているんでなければ)割と勧められるくらいには育成玩具としての体験は良いかなと思います。 活動量計欲しい人は活動量計買ったほうが良い。
で、DiM カードぶっ挿して色々なデジモン育てるのは気持ち良いんで DiM カードの制作・一般販売が続く限り応援していきたい。
完。